占星術洋書レヴュー#01: Anthony Louis"Horary Astrology Plain & Simple"

  • 2017.10.22 Sunday
  • 05:00

 amazon.co.jpさんの図書レヴュー欄への最後の投稿(=2015年3月)から年月がだいぶ経ちましたが、その間にも占星術図書(洋書)は読み続けてまいりました。

 

 上述期間での既読図書のうち、何冊分かのレヴューをシリーズとして掲げる予定でおりますが、amazon.co.jpさんでのレヴューと異なり、字数などに配慮することなく、ゆるりと書きたいというのがあり、まずは今回ブログのような形になりました。

 

 上記何冊かを含む既読図書レヴューをゆるりでなく、きっちりしたものにまとめる機会があれば、amazon.co.jpさんに投稿したいとも思っています。なお、占星術家の名前表示については敬称略とし、また17世紀以前活躍の占星術家については生没年表記を附しました。

 

 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 ホラリー占星術を修得する過程において、読書などによりいにしえの叡智を取り入れ、基本的にはそれらに準じつつも、実践における自身の経験則に対しても正直であろうとする姿勢が前面に押し出された一冊、ルウェリン社より1998年刊。

 

 キャロル・ウィガーズ・Q.H.P.(="Qualifying Horary Practitioner"の略語。故オリヴィア・バークレー主宰ホラリー占星術通信教育修了者、の意)の序言の言葉、「17世紀を振り返り、当時活躍なさったウィリアム・リリーをホラリー占星術の最終的権威と見なす人々もいますが、より未来的な方向へと自らの手を広げていった(branch out)人々もいるのです。アンソニー・ルイス氏は自身の観察を加味することで、いにしえの叡智と新たな要素との間でバランスをとっています(p.xiv)」をまずは引用しておきましょう。

 

 著者アンソニー・ルイスはグイド・ボナティ(1210〜1296)、ウィリアム・リリー(1602〜1681)、マーク・エドモンド・ジョーンズ、アイヴィー・ゴールドスタイン・ジェイコブソン、ジョアン・マクエヴァース、オリヴィア・バークレーなどの、20世紀末時点で入手可能なホラリー図書の多くを読破なさったうえで、自身の実践(=上記先達図書に書かれた数多くの叡智、一つひとつの検証作業でもある。ホラリー占星術の権威、と呼ばれる先達同士のあいだで手法、意見に矛盾がある場合、いずれの意見を取るべきか、ハウス・システムはいずれを用いるか、トランスサタニアン天体の扱いはどうするか…など)上での経験をも踏まえ執筆なさっているので、本書はいにしえの叡智やルールの羅列のみでは決してない一冊、といえるでしょう。

 

また、自身にとってしっくり来るホラリー・チャートの読み方へと至るプロセス、試行錯誤、あるいはこうすべきであったなどの反省などをそのまま私達読者に伝えている部分も多く、いわば自身にふさわしいホラリー占星術に至る過程が描かれた実録書、みたいな趣きもある(著者は日々、「ホラリー・ノート」なるものをつけておられるそうです)とレヴュアーは考えます。たとえば第14章「具体事例の雑録(potpourri)」では、著者自身が正しい回答を導き出したものとそうでないもの、双方の事例18編が紹介されており、レヴュアーにとっては特に読み応えのある章となっています。

 

 本文は全15章、239ページから成り、ホラリー占星術の基本概念、ラディカル・チャートとはなにか、エッセンシャル・ディグニティ、アルムーテン、クリティカル・ディグリー、恒星、アラビック・パーツ(ロット)、ソルスタイス・ポインツ(アンティシオン)、失せ物探し、58のチャートを用いてのケース・スタディなどが詳述されており、ホラリー占星術の基本的情報はこれらによりほぼ網羅されている、といえるでしょう。

 

 まとめの最終章、第15章では、お薦めのホラリー図書、ホラリー占星術ならびに古代から伝わる(ancient tradition)世界観を理解するうえで重要な占星術師(の図書)を挙げたうえで、以下の言葉を綴っています。

 

 As you read horary texts, including this one, never take the authority of the author at face value. Test the horary rules for yourself and use only those that provide consistent and reliable results. The proof of the pudding is always in the eating.(p.237)

 

 (意訳)本書を含め、ホラリー占星術関連図書を読む際は、著者が言っていることを額面通りに捉え鵜呑みにするべきではありません。それらルールなどを自ら実践を以て試み、自身にとって首尾一貫してしっくりくる、信用のおける(占断)結果をもたらしてくれるものだけを用いましょう。それがプリンである、という証拠は、実際それを食べる過程において、でしかわからないのです(レヴュアーいわく、最後のプリン云々の一文は、「論より証拠」を表す欧米のことわざだそうです)。

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  • 2017.11.18 Saturday
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